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「コンロの火がおかしい」原因と対処方法を解説します!

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ガスコンロは毎日使うものですから、安全に快適に使用したいものです。ですが、「いつもと火の様子が違う」、「鍋の底が黒くなる」などの症状が現れることがあります。そしてそれは、一酸化中毒や重大なガス事故につながることもありますので十分な注意が必要です。
ここでは、コンロが正常に点火しない時のよくある原因とその対処方法をご紹介いたします。

なお、コンロの火が点かない場合や「故障かな?」と思った場合は、こちら(よくある故障原因)のページも参考にしてみてください。

コンロが正常に点火しない場合の原因と対処方法

 

1.正常に点火している状態とは

そもそも、ガスコンロが正常に点火しているのはどんな状態なのでしょうか。以下に解説します。

  • 炎が青い
    理科の授業で習ったと思いますが、燃焼には十分な酸素が必要です。完全燃焼している炎は青く勢いがありますが、酸素が少ないと、ロウソクの火のようにゆらゆらと赤い炎となり不完全燃焼となります。
  • 炎のバランスが均一
    「火が点かないところがある」、「一部火が大きいところがある」などの状態は正常ではありません。全体的にバランス良く火が点いていることも大切なポイントです。
  • すぐに点火する
    点火の操作をした時、すぐにバーナー全体に火が回っていれば正常です。「なかなか火が全体に行き渡らない」、「火が点いても途中で消えてしまう」といった症状は正常とはいえません。
  • 火を消した時に大きな音が出ない
    火を消した時、正常ならば音もなく静かに消火しますが、「ボオッ!」と大きな音が出て消えることがあります。その原因については後で解説します。

このようなポイントをクリアしていれば、コンロを使用していても問題がないと言えます。逆に、少しでも思い当たる症状がありましたら、直ちに使用を中止してここでご紹介する処置をしてください。最近のガスコンロは安全装置が発達していますので、極度に怖がりすぎる必要もないですが、“まだ大丈夫だろう”と使い続けると、思わぬ火傷や一酸化炭素中毒や火災につながる恐れもあります。

2.炎が赤または黄色い場合

【不完全燃焼によるもの】
コンロの火が赤く、ロウソクのようにゆらゆらと燃えている場合は不完全燃焼の状態です。不完全燃焼すると、人体に有害な一酸化炭素が発生してしまいますので、直ちに使用を中止してください。また、鍋やフライパンの底にカーボン(スス)が付着します。
その原因と対処方法は次のとおりです。

  • お部屋の酸素が不足している
    →窓を開けて換気扇を回し、新鮮な空気を取り入れましょう。これはガスコンロを使用する時は常に心掛けてください。
  • バーナーキャップが汚れている
    →炎口が汚れや水で詰まっていたら、取り除いてみましょう。
  • お使いのガス種(都市ガスかプロパンガス)用ではないコンロを使用している
    →引越し後によくある原因です。ガス種が合っているか確かめましょう。
  • バーナー本体内部に錆などが溜まってガスの流出を妨げている
    →メーカーかガス屋さんに連絡して修理、もしくは買い替えの検討が必要です。
  • ダンパー(空気調節弁)の調整がズレてしまっている
    →最近の家庭用コンロではあまり見かけませんが、業務用のコンロではよく起こります。これが疑われる場合はガス屋さんに診てもらいましょう。ただし、右写真のような業務用コンロは安全装置がほとんど付いておらず、簡単にガス事故につながる危険性がありますので、ご家庭で使用するのは避けましょう。

④と⑤は判断がつかないと思いますので、まず①~③をチェックして、問題がなければメーカーもしくはガス屋さんに連絡するという流れになります。
とにかく、一酸化炭素を発生する不完全燃焼の状態は非常に危険です。一酸化炭素中毒は、まず頭痛やめまいといった風邪に似た初期症状が現れます。その後早ければ数分で意識を失い、そのまま死に至ると言われています。くれぐれも軽視しないでください。

【不完全燃焼以外の原因】
一方で、不完全燃焼ではないのに炎が赤くなることがあります。その原因は次のとおりです。

  • 加湿器を使用している
    加湿器には水道水を入れるよう推奨されていますが、水道水に含まれる微量のカルシウムやマグネシウムが室内に広がると、炎に反応して赤くなることがあります。
    なお、この原因の場合はすべてのバーナーが同じように赤くなります。加湿器を消してみて、炎が青くなれば問題ありません。
  • 五徳やバーナーキャップに汚れや水分が付着いている
    汚れや水分に炎が当たると、その先が赤くなることがあります。
  • 点火した時にのみ火が赤くなる
    点火した直後は、ガス量と酸素のバランスが整っていないので一時的に炎が赤くなることがあります。

これらの症状の場合は、危険性はないのですぐに改善する必要はありません。不完全燃焼かどうか見分けるポイントは、炎の勢いです。炎の燃焼速度が速く音を立てて燃えている場合は不完全燃焼ではないと思われます。どちらか見分けがつかない場合はガス屋さんに診てもらいましょう。

3.勢いが強く、火のバランスが整っていない場合

炎の勢いが強すぎる、バランスが均一でない、一部だけ炎が大きいなどの症状が出た場合の原因と対処方法を解説します。

よくあるのがバーナーキャップが正しくはまっていないことによるものです。火を消して冷ましてから確認してみてください。

また、経年によりバーナーキャップの炎口が劣化して隙間が広がってしまっている、もしくは変形してしまっていることも考えられます。この場合はバーナーキャップを交換すれば直ることありますので、ガス屋さんに電話して聞いてみましょう。
なお、コンロの劣化によって、バーナーキャップの内側などおかしなところから火が出てしまうこともよくあります。これはそのまま放置すると、火傷やガス漏れにつながることにもなりかねませんので、早めにガス屋さんに相談するか買い替えを検討してください。

一方、引越し後によくあるのが、ガス種を間違えてコンロを使用したことによるものです。都市ガス用のコンロをプロパンガスで使用すると、非常に大きな炎が出て大変危険です。ガス種が合っているか確認してみましょう。

4.しばらく経つと火が消えてしまう場合

「点火していたのにいつの間にか消えていた」という場合は次のことが考えられます。

  • 立ち消え安全装置が作動した
  • その他の安全装置が作動した
  • ガスメーターでガスを遮断している
  • 乾電池の電池切れ

これらが原因の場合は、こちらのページで詳しく解説していますのでご参照ください。

またこの他にも、最近のガスコンロ(特にハイグレード品)にはさまざまな安全装置が搭載されており、それらが作動している可能性もあります。消し忘れ自動消火機能、焦げ付き検知機能、グリル過熱防止機能、感震停止機能などがありますので、確認してみてください。

5.コンロの火が強くならない場合

「ツマミを調節しても炎が弱い」という場合は次のことが考えられます。

  • 自動温度調節機能によるもの
    1口コンロ以外の家庭用ガスコンロは、Siセンサーという安全基準を満たすことが義務付けられており、右写真の温度センサーが鍋やフライパンの底の温度を常に検知しています。そして温度が250℃に近づくと自動的に炎が弱くなり、それでも温度が上がり続けると消火します。
    また、温度設定をしている時は、その設定した温度になるように火力が自動で調整されます。
    なお、鍋底がこのセンサー部分にきちんと当たっていなかったり汚れていたりすると誤作動することがあります。
  • バーナーキャップの目詰まり
    汚れなどでバーナーキャップの炎口が詰まってガスの出口が塞がれていることも考えられます。一度外してお手入れしてみましょう。
  • 鍋無し検知機能が作動した
    この機能が搭載されている機種は、調理中に鍋やフライパンを持ち上げると衣服への引火を防ぐために自動的に火力が弱くなります。ですのでこれは異常ではありません。
  • ガスのノズルの目詰まり
    バーナー本体にガスを送り込むノズルが詰まっていることもあります。ノズルは目に付くところにはありません。分解しないとお手入れできないので、このケースが疑われる場合はガス屋さんかメーカーに連絡してください。
  • ガスホースがつぶれている(テーブルコンロの場合)
    置き型のテーブルコンロは、後ろ側にガス栓とコンロを結ぶガスホースがあります。
    コンロがガスホースに乗ってしまっていたり、折れ曲がっていたりすると、ガスが正常に流れず火が強くなりません。お掃除などで移動させた際によくある原因ですので一度確認しましょう。

6.消火した時、大きな音がする場合

「ボッ!」という大きな音が出て消火する場合は、逆火現象(バックファイア)といって、炎がバーナーの内部に入り込む現象です。簡単に言うと、ガスの出る勢いより燃焼速度が速くなることで起こります。
理科の実験でブンゼンバーナーを消した時、「ポンッ」という音がして驚いた経験はないでしょうか?それも逆火現象です。

その主な原因は次のとおりです。

  • バーナーキャップがズレている
  • バーナーキャップが劣化もしくは変形している
  • ノズルの詰まりなどでガスの噴出量が少ない
  • ダンパー(空気調節弁)が開きすぎている

バーナーキャップはご自身で確認できると思います。もし①と②が問題なかったら、ガス屋さんに診てもらいましょう。

また、この逆火現象とは対照的に、ガスの噴出量が強すぎるためバーナーから離れた上の方で燃焼する現象のことを煽火現象(リフティング)と言います。
この原因は、逆火現象とポイントは同じですが、ガス種の違うガス器具を使用した場合によく起こります。

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?
分からないことがありましたら、お気軽にガス屋さんに訊いてみましょう。きっと親身になって対応してくれるはずです。

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